2016/02/11

PCを永眠させるという異名

先週から新居へ引越しをし、新しい生活がスタートしている。新居は2DKのとても広い家だ。
同じボランティアとして病院に務めている男性看護師の青野氏と同居となる。
私の前任であった方とも同居していたという事で、すでに家の中には生活に全く不自由しないほど家具やその他一式が揃い踏みであった。
青野氏はとても料理好きという事があり、これまで色々な食事を作ってくれているのだが、いつまでもそれに頼りっきりというのもまずいので、少しずつ覚えていこう。
リビングめちゃ広い!!!!!!!

さて、新しい生活がスタートしてから早速トラブルが一件発生している。
それは、日本から持ってきたノートパソコンが早速故障してしまったのだ。
電源ボタンをいくら押してもウンともスンとも言わなくなってしまっただけでなく、電源プラグを差し込んでも充電が開始しなくなってしまった。
恐らく電源の問題なのだろうと思ったので、まずは電源アダプターをテスターで調べる。
もしアダプターが生きていれば20Vと表示されるはずだ。
結果、表示されたのは「0V」。
よし、死んでるな。

アダプターが死んでいることがわかれば、パソコン本体の方は生きていることがわかるので、アダプターさえ別のものが手に入ればそのままそのパソコンは使えることになる。
しかしそこからがまた一つ問題で、どうやってこの国でアダプターを手に入れるのか、という事だ。
圧倒的に物資が少ないと言われているこの国においては、パソコン1台すら入手するのは困難だ。
いや、確かに手には入るが、日本で買って空輸したほうがはるかに高性能で安いパソコンが手に入る。
そんな所で、ましてやアダプターだけなんて、手に入るわけがない。
そう思い、長時間かけて探す覚悟を決めながら国内有数の大型スーパーにバスで片道1時間の道のりを終業後に向かう。
まさか手に入るわけないよなー、と思いながらも、家電製品のようなものが売っているらしき一角を見つけ、そこのカウンターのお姉さんにたどたどしい英語で話しかける。
「あー、Do you have an adopter for laptop computer?」
「Yes, here you are」

あんのかよ!!!!!!

実際に出てきたものを見ても、たしかにアダプターだ。
とはいえ、色々なメーカーのものに対応できるようアタッチメントがついており、それを差し込むと自動でアウトプットの電圧も変化する仕組みだ。
これは凄いと思い迷わず購入。
そして意気揚々と片道1時間の道のりをバスで帰り、帰宅後すぐにパソコンへ接続してみる。
しかし、立ち上がらないPC。

なんでだよ!!!!!!

もうわけわからん。
電源アダプターが死んでいたのは確かなのだが、同時に複数箇所が壊れるなんて言うこともあるのだろうか?
例えば過電圧などで壊れたのだとしても、電源アダプターが緩衝材になって本体への影響は少なくて済むという印象だったのだが、そうでもないようだ。
という事でPCは完全にお釈迦となりました。
2万円くらいで買ったやつなのでそんなにショックではなかったのですが、半年くらいしか使ってないことを考えるともうちょっと長持ちして欲しかったなー。


さて、仕事が始まる前に早速1台PCをぶっ潰したわけですが、仕事始めも割と波乱の幕開けとなりました。

今週からようやく、ようやく保健医療サービス省での勤務が始まり、現在は状況のキャッチアップを行なっている。
そんな勤務地では前任の方が残してくれた引継ぎ資料(DVD-ROM)や各種専門書、JOCV専用PC(windowsXP)があり、ありがたく使わせてもらっている。
そんなPCなのだが、初日、使っている最中に突然画面が止まったかと思うとPC内部から何かが引っかかっているかのような異音が発生。
原因はHDDドライブの故障。
その中には、前任者が残してくれていたと思われる資料も入っていたはず。

なんてこったと内心焦りながらも、カウンターパート(現地の同僚)には「OK,OK,no problem !」と言い、別のHDDが机に入っていたのでそれに取り替える。
幸い使えるHDDだったようなので現在それを使い、フリーのOSであるLinuxのUBUNTUを導入した。
どうにかこうにか色々といじくっているうちにようやく日本語が使えるようになり、今に至る。
ちなみに、私の机の中にはすでにぶっ壊れ済みのHDDが5台ほど入っている。
その中には、「これならどうだ」とカウンターパートが持ってきてくれて試したHDDが3台ほどある。
これほどまでに壊れやすいのか・・・。

この国は機械に優しくない国であるとは前々から聞いていた。
試しにテスターを電源に直で差し込んでみたところ、表示された電圧はなんと300V。
240Vを大きく上回る電圧だ。
この国では停電がよく起こると言われ、そういう意味では電気が不安定なのはまあ頷ける。
まさか電圧自体がアップダウンするとは予想もしていなかった。

確かに、発電機の質が良くなければ生み出される電気の電圧も一定である保証はどこにもない。
そしてそんな電圧で電気製品を使用していれば、消耗は早い。
こんな所にまで、途上国クオリティが存在するとは。

それ以外にも壊れる原因となるのが「埃」だ。
珊瑚礁からなるこの島はその土壌の全てが珊瑚礁で形成される。
珊瑚礁から生み出される砂は、時にとても細かい粒子となり、空気中を舞う。
そしてどういう侵入経路で入り込むかわからないが、いつの間にかPC内部の精密な箇所へ入り込んだ後にPCを内部から破壊するのだ。
特にHDDやCDドライブのような物理的な動作があるものは壊れやすいと言えるだろう。

さて、そんなこんなで今のところ私はずっとフリーソフトで活動しています。
いやまあ、意外といけるもんだなというのがもっぱらの感想です。
果たしてこのあとどうなるかわかりませんが。
とりあえず、プライベートの暇つぶし用に一つPCどこかで買おうと思います。


そうそう、私のニックネームは「MATI(マシ)」か「MATU(マス)」になりました。
とりあえず初対面の人にはもれなく「Please call me friendly, MATI」と言っているのだが、カウンターパートだけなぜか私をMATUと呼ぶ。
確かにキリバス語にはそれに対応する単語があるので覚えやすいのは確かだ。


ちなみにMATUの意味はキリバス語で「眠る」である。
この場合意味しているのは、単純私が寝るということなのか、はたまたPCを永眠させるということなのか・・・。


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