2015/09/28

合格後諸活動その6 どっちが気楽?

あれから数日、技術補完研修は滞りなく終了した。
全ての研修過程が終了した後、全体を通したレポートを提出させられるのだが、そちらの提出も怠らない。
提出後に全くレスポンスが無かったのが若干不安だったが、便りがないのは元気な証拠である。
他の隊員の話を聞くと皆そのようなので、問題がなかったのだろうと安心してしまうことにする。

さて、提出するものは提出してしまったし、研修も全て完了させてしまった。
訓練所へ向かう高速バスのチケットも、実はすでに取ってしまった。
新宿西口のバスターミナルから出発する7:30のバスである。
後は荷物をまとめて訓練所へ行くだけだ。

だがどうにもこうにもありがたいことに、私の周りの人たちはとにかく私を送り出したくてしょうがないようで、私が東京に来ていることがわかると方々から飲みのお誘いがくる。
断る理由などひとつもないのでありがたくお邪魔させて頂くことにしているのだが、メンツの関係上場所が都内になることが多い。
必然的に、居酒屋の多い新橋や上野といった場所で飲むことになる。
となると、これまた必然的に周りはほとんどがサラリーマンやOLさんや学生、そういったナンジャラカンジャラホイであふれ返っているわけである。


隣から聞こえる「ちょっとちょっとー、手酌は駄目でしょーwww」という声。

同席していたメンツの一人が「ごめん、ちょっと仕事の電話」と席を外す。


ふと、感じる違和感。

つい数ヶ月前までは、こういった光景は当たり前のように私も接してきてたし、私自身もそういうことをしたことがある。
しかし、海外に出たらどうなるのだろう。

まず、お酌をするなんていう文化が海外にあるか?

アフターファイブに仕事の電話に出るか?

そもそもアフターファイブに仕事の電話をかけるか?

恐らくその全てが「国による」という回答をせざるを得なくなるとは思うが、少なくとも途上国では、上述したことはほぼあり得ないだろう。


曰く、途上国では時間の流れがゆっくりである。

曰く、途上国では日本の常識は通用しない。


問題は、これらに私自身がどっぷりとはまってしまうかも知れない、ということである。
いや、訓練すら始まってもいないにもかかわらず、既にはまっているかもしれない。
もう、ここには戻ってきたくないという気持ちが芽生え始めている。


青年海外協力隊の任期を終え、帰ってきた人が辿るその後の人生は多岐にわたると言う。

協力隊に参加する前に居た職場に戻る人(現職参加)。
新たに職を探す人。
そして、そのまま国際協力のプロの道へ進む人。


国際協力の道へ進む人は、任期を終えた人の中の約2割ほどになるという。
実は、技術補完研修の一環として協力隊OBの何人かにお話を聞くことができたのだが、その中の一人に国際協力の仕事を続けていらっしゃるという方とお話をさせて頂くことができた。

端的に一言、彼に質問をぶつけてみる。


なぜ、国際協力の仕事を続けているのか。
 →気楽だから。


ぉおぃ!!!


いやまあ気持ちは良くわかるけどさ!!!
もっと!!!こう!!!あるだろう!!!

しかしよくよく話を聞いてみると、彼の生活はほとんどが途上国を飛び回り、日本に居ることは最近ではほとんどないという。
その日も、少ない帰国期間を利用して駆けつけてくれたそうだ。

協力隊員の中にも途上国の生活が苦しくて、任期短縮となってしまう人もいるようである。
時には差別に合い、病気だって蔓延している箇所もあるだろう。
そんな途上国での生活が「気楽で良い」ということは、まさにその人の国際協力への適正が非常に高かったということに他ならない。

その人曰く、日本で仕事をするくらいなら、途上国で仕事をしたい。


果たして、私はどうなるのだろうか。

帰ってきたとき、国際協力の仕事をしたいと思うだろうか。

それとも、また日本のビジネス社会に埋もれてしまうのだろうか。


さすがにこればかりは、行ってみないとわからない。

2015/09/11

合格後諸活動その5 マッチング

9/3から、ようやく待ちに待った青年海外協力隊の技術補完研修が始まる。
昨日でちょうど半分が終了し、今日から折り返しだ。

研修に来ていた面々を見てみると、私以外は全員が26年度秋募集での合格者だった。
つまり私のひとつ前の募集で合格し、来年から任地に飛ぶというわけだ。
合格から実際の活動開始までかなり期間が開いたと思うのだが、モチベーションの維持とかが大変そうだ。


それはそうと、青年海外協力隊27年度秋募集の情報が9/1から公開された。
気になる私関連の情報を中心に、要請内容を調べてみることにする。

まずは各件数。

●コンピュータ技術:18件

●キリバス国:2件

コンピュータ技術の要請がどんどん減っている。
しかも内容としてはPCインストラクターのようなものばかりだ。

この中で、もし私が秋募集で応募することになった場合の希望任地がどうなるかシミュレートしてみたいと思う。


まずは、職種はコンピュータ技術で言語が英語であること。
少なくとも活動使用言語が英語であることが最低条件なのだが、これを満たす要請は以下の通り。
  • スリランカ(レベルB以上)
  • マーシャル
  • パプアニューギニア(レベルB以上)
  • ジャマイカ(レベルB以上)
  • ボツワナ(レベルA以上)
  • マラウイ(レベルB以上)
  • ジンバブエ
うん、意外と多かった。

しかし私の場合は英語がそんなに堪能ではないので、この中から(レベルB以上)などとなっているものを除外する。
この「レベル」とは英語の語学レベルのことで、少なくともこれくらいは喋れる人を送ってくれないとまともな活動ができないよ、というものだ(目安はレベルBがTOEIC640点以上、レベルAがTOEIC730点以上)。
まあこのレベルに関しても、JICAさんが決定しているのか要請を送ってきた方が指定したのか分からないが、必ずしもレベルB以上じゃないと受からないというわけではなさそうである(訓練所でのレベルアップも考慮して決定される模様)。

残ったのはマーシャルとジンバブエ。
この中から要請内容でさらに剪定を行うわけだが、マーシャルの方は残念ながら内容が「通信インフラ」に近いものであるため、私の専門からかなり外れてしまう。
詳細を見ても「ネットワークの運用管理」って無理無理、ネットワーク苦手だもん私。
希望するのは私の勝手だが、これに合格する可能性は極めて低いだろう。
ということで、マーシャルは希望から外す。

残るジンバブエを見てみよう。


●ジンバブエ
C++やJAVAを中心としたプログラミング、ICTに関する講習を主に中学生に対して執り行う。
大卒(理系)、実務経験2年以上。
電気、水道は不安定。


うん、良いんじゃないかな。
理系の大卒って言う点以外は要請と希望もほぼマッチしている。
ただ、教えるのはやったことないんだよなぁ・・・、その点も合格の可能性を引き下げるかもしれない。

ということで、もし応募することになっても希望任地が1件のみというのはかなり厳しい。
そもそも協力隊に受かる受からないということがあるのに加え、他の協力隊希望者との任地の取り合いが発生するわけである。
他の希望者がどのような希望を出すかは分からないが、英語圏を希望する人は割りと多いのではないかと考えている。
ということは、このジンバブエもかなり倍率は高くなってしまう可能性が十分ありうるわけだ。

私が応募した27年度春募集でも、完全にマッチングする要請はさほど多くはなかった。
しかし、春募集を逃していたらもっと厳しい戦いを強いられることになっていたことを考えると、早めの決断が功を奏したと言わざるを得ない。


結局この世界は、まずは要請の内容と隊員の希望がマッチングするかしないかが全てである。
希望にマッチする要請がなければ、まず応募することすらできない(しても良いけど確実に受からない)。
そのような要請があるかどうかは、自身の「運」次第である。

「運」も合否に絡んでくるとなると、ますますHUNTER×HUNTER試験じみてきたな。

これから青年海外協力隊を目指す方は頑張ってください。