2015/11/29

派遣前合宿その8 Presser Cooker

酒を飲むと、いやなこともそうでないことも全てを忘れられる。
まあ、別に最近は訓練合宿が始まってすぐのようにストレスが溜まることはほとんどなくなったのだが。
今週、ようやく英語のテクニカルクラスも全日程が終了したところだ。
とはいえ、なんだか最近自室で一人ボーっとすることが多くなったのは事実である。

元々一人を好む気質であることも最近思い知った。
今日も一人、最寄の中華料理屋で一人焼酎のお湯割と食事を嗜んだ。
近頃は一人で食事をすることに安心感を抱き始めているのも確かなのだ。
とはいえ、別に友人と食事をすることはやぶさかではない。

英語講師のBrian先生曰く、「Training center is a presser cooker(圧縮鍋)」なのだそうだ。
これには、いくつかの意味が込められている。
一つは、多くの人を狭い寮へ詰め込んで、「常に誰かが近くにいる」という緊張感を味わわせると言う意味。
もう一つは、詰め込めるだけの課業を詰め込んで訓練生をストレスまみれにする、と言う意味。

いずれにせよ、ここで培われるのは英語力のみではないと言うことである。

訓練も残すところあと2週間と少し。
最近になって、朝がとてもつらくなった。
これは、最近になって急に寒さが厳しくなったことと決して無縁ではない。
先週はようやく訓練所にも小雪が舞い込んだ。
今週末にはまた少しだけ雪が舞いそうでもある(iPhone天気予報)。
寒いのは苦手だ。
この点においては、本当に早くキリバスへと行きたくてしょうがない。

ところで、今週は語学のクラスの一環で色々なゲストをお呼びして会話を楽しもうという企画があった。
まあ、企画と言うよりは語学クラスの課業の一部なのだが・・・。
お呼びしたのはJICAの関係で海外からお呼びしている外国人の方々である。
国籍は様々で、それこそアフリカ、東南アジア、大洋州までその国籍は多岐にわたる。
ただ、私のクラスにお呼びした2人は少なくとも英語圏のお方だ。
当然スペイン語訓練のクラスにはスペイン語、フランス語訓練のクラスにはフランス語のお方がそれぞれ呼ばれている。
私のクラスには、フィジーとブータンの方がいらっしゃった。

しかし、ここで私はかなりの衝撃を受けることになる。

お二人が喋る言葉の、半分も聞き取れない・・・。

私はこの訓練所に来て、多少なりとも努力はした。
ひょっとしたら努力が足りなかったのかもしれないが、それでもほんの少しくらいはマシになっていると思いたかった。
しかし、それは私の思い過ごしだったのかもしれない。
同じクラスの訓練生に聞くと
「フィジーの人はそんなに聞き取りにくくはなかったよ」
だと言う。
英語はとにかくまず喋れてナンボだと思い、スピーキングの練習ばかりしてきたツケがここに来てめぐってきたのだろうか。

コミュニケーションの基本は、まず相手の話を聞きしっかりと相手の話の意図するところを理解するところから始まる。
であるならば、対話における基本は「リスニング」であることはいまさら確認するまでもない。
そんな単純なことに1ヶ月半もかけてようやく気づくバカチンが私です。

訓練生活は残り2週間余りとなっている。
まだ、圧縮鍋でコトコト煮こまれる日々は続きそうだ。

2015/11/22

派遣前合宿その7 言語の壁と3倍の歳の差

今日は少し軽めのエントリーとさせてもらおうと考えている。
なぜなら今日は、訓練所に来て初めて「日曜日に飲酒」したからである。

大いに飲み、大いに食べ、大いに遊び、とてつもなく有意義な時間を過ごすことが出来た。
なぜなら今日は、アメリカ人のご自宅に誘われた初の経験でもあったからである。

誘ってくれたのは、私の英語の講師であるBrian先生だ。
あまり他人の個人情報をデカデカと公表するのはよろしくないので詳細は伏せるが、生粋のアメリカ人で日本人の奥さんを持つジョーク好きのナイスガイだ。

客が来たときだけ使用するというテーブル。家もデカいが他もデカい

家がデカければ出てくるメシもデカい。これは七面鳥。

締めはなんと自家製アップルパイ!!!

これでもかと言うくらいに食事をさせてもらい、Brianやそのご家族の方とも交流をさせて頂いた。
特に私(33歳)はBrianの息子さん(11歳)と即効で仲良くなってしまい、彼の部屋へ案内してもらったり、挙句の果てには「妖怪ウォッチ」のゲームプレイの様子を観察させられることに。
あ、彼との会話は全部日本語でした。
あとボクシングに興味があったようだったので、ひとまず右ストレートの打ち方だけ教えてあげました。
やはりこういう時「子供と即効で仲良くなれる」と言うスキルを持っていると便利なものである。
なお、私は今33歳である。

うるせえよ!子供好きなんだからしょうがねえだろ!七面鳥食わせんぞ!!!

あ、七面鳥はめちゃウマでしたよ♪

家の中の会話は全て英語になるものと覚悟していたのだが、呼び鈴を鳴らしたあと出てきた奥さんが放った「いらっしゃいませ~」で全てが瓦解した。
息子さんと娘さんも一切英語を話さない。
英語を話すのはBrianと我々訓練生のみ。
なお、奥さん、息子さん、娘さんも英語は完璧に喋れはするようで、Brianとのコミュニケーションは全く難儀していないようだった。

とはいえ、Brianが英語で喋り、ご家族全員が日本語で喋るというやり取りを見ていると、なんだかとてつもない何かを見ているような気分になったのは確かだ。

Brianも日本語喋れるって言ってたよな・・・。

なんにせよ、週6で我々の相手をしつつ休みを返上してまでここまで豪勢なパーティを開いてくれたBrianには感謝してもしきれない。

ありがとうBrian、俺頑張るよ。

2015/11/15

派遣前合宿その6 ソースカツ丼とSQLと引越しと野外訓練

朝7時、毎週日曜日はこの時間にiPhoneのアラームが鳴るようにセットしてある。
起き上がろうとすると、腰に鋭い痛みが走る。
昨日までの訓練による弊害が響いていると言うことだ。
一体昨日まで何をしていたんだという疑問は後述するとして、ひとまずは激動の今週を頭から振り返ってみようと思う。

まず今週の月曜日、訓練における中間試験が実施された。
初っ端からクライマックス感が尋常ではない。
中間試験と言っても、実施されるのは語学の試験のみである。
それも、とりあえずは「ふるいにかけて落とす」という趣向のものではないため、受験するにしてもそこまで気の重いものではない。
あるとすれば、試験結果によって精神的に格付けがされるくらいのものである。
と言っても、あまりにも結果が酷いようであれば個別に呼び出されるということだ。
呼び出しはその日のうちにされると言うことだったが、結局私は後ろから肩を叩かれることなくその日を終えることが出来た。

試験内容はリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングと、英語はTOEFLと似通ったような内容となっている。
他の言語でもおおよそこのような内容らしいが、当然難易度にはレベルに応じて高低があるようだ。

私が受けたのは英語の中くらいの難易度の試験で、平均を多少下回ってはいたがなんとか赤点は免れたようだ。

うるせえよ!英語苦手なんだよ!!!ソースカツ丼食わせんぞ!!!

あ、そういえば、ここ駒ヶ根はソースカツ丼が名物なのでお越しの際はどうぞ♪
堂々と飯テロをかましていくスタイル


中間試験が終わると、次の日(火曜日)はプレゼンテーションだ。
以前のエントリーで少し述べたことがあるが、訓練所における語学のうち、英語にはかなり早い段階から「テクニカルクラス」なるものが用意されている。
もうそろそろ英語以外の語学でも似たような内容の語学訓練が追加されるようだが、私の場合はPCインストラクションに関する「模擬授業」をそこでやらされることになる。

私が選択した授業の内容は「データベースとSQL」だ。
IT業界にいる人以外の方にはこの時点で何のことかさっぱりわからないと思う。
正直、極めればこれだけでメシが食える内容であるだけに、諸々とヘヴィーな感じを余儀なくされている。
今回が3回目の授業。その前2回が散々な内容であっただけに、色々と考えさせられ、色々と相談も聞いてもらって挑んだ授業は、ひとまずは及第点といえる内容だったと思う。
また次の週には4回目のプレゼンが控えてはいるが、兎にも角にも納得のいく内容の授業が一回できたということでかなり自信がついた。
が、今日は今日で4回目の授業を準備する中で色々と思うところがあったのだが、それはまた後述するとしよう。


プレゼンが終わると、次の日(水曜日)は語学のクラスに数回認められていると言う「Half Day Trip」だ。
Half Day Tripとは一体何かと言うと、午前のクラスを丸々使い、外出して先生と歩きながらボキャブラリーを養おう!というものだ。

書を捨てよ、町へ出よう!

行き先は駒ヶ根市内にあるお寺、「光善寺」だ。
かなり古くに立てられたと思しきそのお寺は、かなりの歴史を感じさせる。
いくつか写真を撮っておいたので載せておくとしよう。


道中の紅葉。見事に赤々としていますが訓練所内にあるものはこれ以上に赤いです。


木々の間を抜けていきます。後姿は講師のBrian先生です。

お寺。威風堂々。歴史を感じるポイントpart1


樹齢うん百年の杉。でかぁぁい!説明不要!歴史を感じるポイントpart2


中に仏様が入っていると言う小ぶりの三重の塔。歴史を感じるポイントpart3

歩きながらもBrianが色々と指差しながら「What is it?」と問題を出してきます。
大きな岩、側道の溝、それにはまっている金属製の格子、針葉樹林、つる状の植物。
全部併せて40以上の単語は出てきたであろうか。
帰った後に出てきた単語を復習したのだが、Brian曰くその半分でも覚えていれば上等ということだ。
とはいえ、せっかくなので覚えさせていただこう。ありがとうBrian、俺頑張るよ!


水曜日の課業が一通り終わると、部屋の引越しが始まる。
一体どういうことかというと、ここまで我々は「寮の部屋が少ない」という理由から、二人部屋を余儀なくされていた。
しかし、訓練生活が後半に差し掛かると、シニアボランティアが先に訓練を終了することになるので、部屋に余裕ができるのだ。
ちなみに、その日がシニアボランティアの終了日である。
これまで同じ釜の飯を食い、色々と生活をともにしてきた年配の方々。
シニアの方が乗るバスが訓練所を出発する前、時間を惜しむようにシニアと握手を交わし、言葉を交わすJOCVの面々。
所内にいる全員が見送りに出ているのではないかと思うくらいの大勢に見送られ、バスは訓練所を出発する。

さて、送り出した後はこちらのやるべきことをやらねばな、と寮に戻ると、共有の掲示板に私の班のシニアの面々からメッセージが。
「ありがとうございました、皆様元気でね!また会いましょう!」
「君達ならやれる!又逢いましょう」
「この班で満足でした」
「ありがとうございました!」
「i Muchísimas gracias!」←(スペイン語で「私はあなたたちに感謝します!」)

もう、ホントやめてくれるかな、こういうの。
泣きそうになるだろうが畜生!

送り出すだけでこれである。
自分自身の終了式では、泣かない自信がない。たぶん泣く。きっと泣く。

そんなしみじみとした空気の中、部屋の移動を粛々と済ませた。


木曜日は特に何もなかったので骨休めだ(授業は普通にあったがなァ!)。


そして来たる金曜日と土曜日、この訓練の「目玉」と銘打っていたらしいプログラムが実施される。

その名も「野外訓練」。

名前だけ聞くと、なんだかアウトドアでもすんのかなー?という印象だと思うが、その内容はかなりすさまじい。
まず、使用できる物品がかなり限定される。
自室から持ち出せる物は着替え、500mlペットボトルの水一本、雨合羽、懐中電灯、筆記用具、軍手くらいだろうか。
あとは支給された寝袋や救急セットなどだ。
正直、トイレットペーパーまで制限するのはやりすぎじゃね、と思う。

ライター禁止、ナイフ禁止、調理に使用する火は裏山から拾ってきた薪を使用して起こす。
食器は全て竹を割って作成する。
炭と灰、排水の処理に関しては、廃棄の時間と場所が限定されている。
当然、携帯電話などは持ち出し禁止。
カメラといった電子機器も持ち出しが許されていなかったので、残念ながら写真は残すことが出来なかった。
野外訓練期間中は寮の自室へ戻ることは、緊急時以外は一切許されない。
なんだかここまで書いただけで既に若干気が滅入るが、訓練が開始するとさらに驚愕の内容が待っている。
ただ、これ以上詳しい内容を記載すると訓練所スタッフの人から何か言われそうなので自粛するとしよう。
とにかくコンセプトは、「諸々と制限された状況下で知恵と工夫を駆使して生活する力を身につける」と言うことだ。
まあ、持てる知識は結構使ったよね。

そしてこの訓練、とても楽しかった上に普段はあまり話すことがなかった方々ともお話しすることが出来たりと、非常に有意義で楽しいものであったことだけは書いておこう。
なぜか訓練中、持病の腰痛がとてつもなく悪化したことを除けば。
訓練中は床に座ったり、低い位置の椅子に腰掛けたりという姿勢をとることが多かったため発症したものと思われる。
恐らく急性のものなので、明日には回復しているだろう。

野外訓練終了は昨日の午後4時半。
その後はすぐに洗濯を開始し、山のように夕メシを食い、風呂に入り、泥のように眠る。
これほど楽しく、エキサイティングで、二度とやりたくないと思ったアウトドアは初めてだ。

さて、相も変わらず迎えた日曜日は本当の意味での休息日となった。
やることは山ほどある、が、ゆっくり自室でひとりごちれるというだけで、精神的にはかなり助かる。
英語のテクニカルクラスの4回目に関してめぐらせた考察に関しては、ちょっと長文になってしまった今回は見送ることにしよう。


明日から、また激動の1週間が始まる。始まってしまう。
頑張ろう。


あ、今回の題名はキーワードを羅列しただけです。

お前ソースカツ丼食いてえだけだろと言うツッコミには全面的に謝るけれどもやな。


2015/11/08

派遣前合宿その5 悲しみの大地

いよいよ明日、語学の中間試験が実施される。
シニア海外ボランティアの方々の試験は先週に先だって行われたので、明日実施されるのは青年海外協力隊のみが対象である。
また、シニア海外ボランティアの方々にとっての試験は、「中間」試験ではなく「最終」試験だ。
すなわち、この試験の合格をもってシニア海外ボランティアの方々は合宿終了となる。

元々、シニア海外ボランティアの方々の合宿日程は青年海外協力隊に比べて半分しかない。
そもそもシニア海外ボランティアってなんだよと言う方のために説明しておくと、大きく分けてJICAのボランティア事業は以下の3つに分かれる。

  • 青年海外協力隊
  • 日系社会青年ボランティア
  • 短期ボランティア

そして、それぞれ年齢別に20~39歳を「青年」、40~69歳を「シニア」として分類している。
私の場合は「青年」の「海外協力隊」だ。
なおシニアに応募する場合、より人生経験を積んでいることを踏まえたうえでの選考となるので、より高い技術と言語レベルが要求されるようだ。
と言うことは、合宿開始時点でそれ相応の言語能力を有することが期待されていることもあり、合宿期間が短く設定されている、と私は認識している(実際はどうか知りません)。
すなわち、来週にはシニアの人が訓練所からいなくなってしまうのでその前に飲みに行こうという話になり、翌週に試験が控えているというのに土曜の夜は久しぶりの飲み会へ足を運ぶことになった。

合宿期間中は、全候補生はある程度ランダムに複数班へ分割される。
なので、それぞれの班の中のシニアと青年がどれほどの比率になるかは班によって異なる。
どうやら私の班はシニアの方の割合が若干多かったようで、来週の中ごろ以降は班員が3分の2ほどに減ってしまう。
約1ヶ月間、毎日顔を併せてきた方々なので、名残惜しいが無事訓練を終了されたと言うことで喜ばしいことでもある。
なんと、私の班のみここまでただの一人も病欠がでていない。
シニアの方々の頑張りがその功績の大きなウェイトを占めていることは想像に難くはないだろう。

シニアの方々の、今後のご健勝をお祈り申し上げます。


それはそうと、先週は私の任国であるキリバスの詳しい諸事情を聞く機会があった。
お話そしてくれたのは、つい去年までキリバスのボランティア調整員をされていたと言う方で、これからも色々と海外へ飛び回るという忙しい合間を縫って、我々のためにこの長野県駒ヶ根市まではるばる足を運んでくださった方だ。
服はどうすれば良いか、本当に買い物は高いのか、野菜は本当に食えないのか、海はどうなのか、本当に沈みかけてるのか。
色々と話を聞いたのだが、要約するとこうだ。

  • 服は割りとカジュアルでも良いが、仕事に行く際はスラックスに半袖カッターシャツくらいの格好はしておいた方が舐められない。
  • とても親日。
  • 履物はサンダルでも良いが、蚊に足を刺されたくなければ靴を履くこと。
  • 電化製品は高い。正味2,3倍は覚悟すること。
  • 野菜は自給自足しているものが存在する。輸入しなければならないものはやはり高いが、それでも全く口に出来ないほどではない。
  • 海は汚い。首都のタラワ島の人口密度がありえないくらいに高いうえ、海をトイレ代わりに使用していると言うこともあり、大腸菌がやばいらしい。もしタラワ島で泳ぎたければ場所を選ぶこと。
  • スキューバダイビングは全面禁止(JICAからのお達し)。なぜかというと、もし減圧症にでもなった場合、治療が出来ない上に飛行機にも乗せられず、最終的に最悪の事態しか招かないため。
  • 住まいは基本的に勤め先が用意してくれる。当然壁あり。冷蔵庫も、たぶんある。冷房があるかどうかは運次第。
  • 水は貯水タンクに雨水を溜めて使用する。飲む場合は当然、ろ過&煮沸が必須だが、慣れてくるとそれをしない人もいるらしい。ただし、お勧めはしない。

そして、色々と聞く中で最も気になったのは、やはり「本当に沈みそうなのか」ということだ。
首都タラワ島の平均標高は約2m。
満潮に高潮が重なれば、道はほぼ水没するようだ。
しかし、実際に水没するかどうかに関しては、実ははっきりとしたことはいえないらしい。
確かに少しずつ土地は少なくなってきてはいるようだが、その原因は実は「海面上昇」のみが原因ではないようなのだ。

もう一つの原因が、島の土壌が「珊瑚礁」で形成されたものであるということだ。

珊瑚礁と言うのは、海洋生物である珊瑚の死骸が堆積して出来た地形で、その多くがカルシウムで構成されている。
なぜカルシウムで構成されているかと言うと、珊瑚が「動物」であるためだ。
「動物」であるため、骨を持つ。
珊瑚が死ぬと、骨以外が真っ先に分解される。
残った骨に、新たな珊瑚が発生する。
その繰り返しで出来たのが珊瑚礁だ。
そして、「カルシウム」であるため雨の酸で溶けてしまう。
特に、雨がしみこんでいった先の地下での侵食が起こりうると言う話だ。

そして、珊瑚礁であるがゆえに実は「土地が広がっている」という主張もあるようなのだ。
上述したように、珊瑚は動物なのでどんどん繁殖する。
珊瑚が繁殖すれば珊瑚礁は広がっていく。
すなわち、土地が広がっていく。

論理がかなり短絡的な気がしなくもないが、あながち的外れとも言い難い。
ただ言えるのは、そこまで悲観的にならずとも良さそう、ということだ。
少なくとも現地の人たちはあまり気にしていないような感じのことも言っていたように思う。

良かった、悲しみの大地なんてなかったんだ。

キリバスは、決して滅び行く国なんかではない。

これからの人々のあり方次第で、いくらでも存続していける。

そもそも、我々が元気と希望を持たずにその土地へ行ってどうするというのだ。

少なくとも、元気と希望だけは絶やさぬよう、頑張らねば。


頑張らねば・・・。