2015/08/28

合格後諸活動その1 決意

合格通知が届いたのは、翌日だった。

恐らくは山のように書類が送られてくるはずなので、A4サイズの封筒を使用してくるはず。
私の自宅はA4サイズの入る郵便受けが存在しないので、ある一定以上のサイズになると郵便物も手渡しとなる。

12時くらいだろうか、呼び鈴がピンポーンとなり、半分眠りかけていた頭が瞬時に現実に戻される。

きた、合格通知!

待ちにわびた、これまでの集大成が実る日!!!

勢いよくドアを開く!!!


満を持して現れるNHKの勧誘!!!




ドガァァン!!!!(ドアを閉じる音)




どれほど自分が凄まじい剣幕だったのかは分からないが、いつもならドアの外から諦めずに声をかけてくる勧誘もその日は何も追撃をしてこなかった。


その数十分後、再度呼び鈴が鳴らされる。

今度は郵便屋さんだった。

A4サイズの分厚い封筒を受け取り、ドキドキしながら封をカッターで慎重に開く。


第一希望はブータン
第二希望はキリバス


そこに書いてあった国名は、「キリバス」だった。


瞬間的に頭をよぎったのは、私を押しのけてブータンに行くことになった人間がいるかもしれないという事実に対する悔しさ。

続いて、希望していた英語圏への派遣が決定したことへの安堵感。

悔しさ8割、安心2割といったところだろうか。

実のところ、気持ちはかなりブータンに行くことで傾いていた。
行ってから何をしようということに関しても、かなり色々と考察を巡らせていたりもした。
ちなみにその全ては、キリバスでは実現不可能なことばかりだ。
私がそれまで思い描いていた夢物語は、まさにただの夢物語に終わってしまったのである。

しかし、そこで私は考える。
いや、待てよ。

キリバスと言えば太平洋のど真ん中。
ほぼ赤道直下で台風も来ない、常夏の楽園だ。
汗をかいたり暑いのが好きな私にとってはこれ以上の好条件は無いと言える。
雨は年中多いようだがそれくらいならどうと言うことはない。
それに、何をするかはこれから考えていけば良い。
任務に関しても医療に携われるという大変名誉なものだ。
もとより、希望していた任地であれば断る道理は無い。
せっかく勝ち取った英語圏への権利、当然有効活用させてもらおう。

なお、ここにいたるまで封筒を開いてから約30秒。


超短時間の心の葛藤の末、私はキリバスへ行くことを決意した。

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