ずっと郵便物を待っていたので朝飯も食ってない、腹が減った。
全ての話はそれからだ。
その日のお昼ご飯は、近所の商店街にあるインドカレー屋さんで食べたのを覚えている。
そのカレー屋さんは創業以来(2,3年ほど)の行き着けで、私の場合席に座わると顔馴染みの店員がやってきて「マトン(羊肉)ですね」と一言告げてさっさと戻ってしまう。
私もそれでいいので「うん」とだけ返事をすると、注文が確定してしまう。
これで出てくるのは「マトン(激辛)、ナン、ラッシー」のセットメニューだ(950円)。
ちなみにマトンカレーしかない、わけではない。
「あ、今日は普通で」
と、その日は店員に一言だけ付け加える。
これは、辛さの指定だ。
ナンは、いつものように4分割して出してくれた。
インドカレーの場合、通常ナンは切ったりせずにそのまま出す。
切られたものの方が食べやすかったのでそれを指定し続けていたら、分割ナンを店員さんが覚えてくれたのだ。
それまでは辛い食べ物になるべく慣れておこうと、この店で食べるときはカレーの辛さを「激辛」にしていたのだ。
この店の最高級の辛さということもあって、毎回汗だくになりながら食べていた。
しかし、もうそんな必要はなくなってしまった。
第一希望の、食べ物が辛い国であるブータンへ行くことは無くなったのだから。
勝利の味、しかし敗北の味をかみ締めながら、ここで食べる最後になるかもしれないマトンカレーを味わう。
店を出てから改めて看板を見る。
そういえば、なぜ店の名前が「ひまわり」なのか、いつか聞こうと思っていたのだが結局聞かずじまいになってしまった。
家に帰ると、早速封筒の中の書類一式を改める。
色々とやらなきゃならないことがまた山ほどあるようだ。
その日のうちにできるのは、
- B型肝炎の抗体検査
- 部屋退去の申し込み
B型肝炎の検査結果は翌週に出るということだ、早めに受診しておいて良かった。
なお、検査結果は他の書類とともに、郵送でJICAへ送らなければならない。
送付しなければならない書類の中でも最も重要なものが「派遣承諾書」である。
これに「派遣国へ行きます」と明記して期限までに送付しなければ、派遣は辞退ということになってしまう。
他にも、9月中にある技術補完研修の参加承諾やその他諸々、急に色々と忙しくなる。
部屋の退去の準備も少しずつ始めなければならない。
ただそれはさておいて、ひとまずやることが終わると書類一式をまとめてバッグへ突っ込み、家を出ることにする。
メールで一番に報告はしたのだが、やはり口頭で直接勝利報告をしたい。
これから暫く厄介になる、両親のもとへ帰ることにした。
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